【1-3】ずうっと、ずっと、大すきだよ④
この教材でもっとも難しい場面。
子犬をあげるといったとなりの子。
子犬をいらないといった「ぼく」。
初発の感想で、
「なぜ、ぼくは子犬をもらわなかったんだろう。」
「子犬をもらわなかったのに、バスケットをあげたことがすごいと思った。」というのがありました。
そもそも、なんでとなりの子は「ぼく」に子犬をあげようとしたんだろう。
そう問いかけると、
「見てたんだよ!」とたくさんの声が上がりました。
と前のページに戻り、挿絵を指さす子供たち。
この挿絵を確認すると、となりの子は、
ただ子犬がたくさんいるからあげようと思ったのではなく、
「ぼく」が悲しんでいることを知っていて、それを慰めたくて行動をしたのだと読めます。
その思いやりに対して「ぼく」はただ「いらない」といったのではなく、
「エルフが使っていたバスケットをあげる」ことで思いやりのお返しをしています。
子供たちの思考はこのように考えていく子もいれば、「使わなくなったからあげる」と考える子もでてきます。
そのため、「ぼく」の気持ちは2段階でかんがえました。
「子犬をいらないといったぼくの気持ち」
,「なぜバスケットをあげたのか」
「バスケットは、大事なものじゃなかったの?」「必要なかったらあげちゃうの?」「みんなならあげる?」と子供たちの気持ちを揺さぶると、
【ぼくだったら、あげられない。エルフとの思いでが詰まった大切なものだもん。だから、ぼくはこの男の子はすごい強い子だと思う。】
と発言してくれた子がいました。
それでも、そんな大切なバスケットをあげた「ぼく」。
【ぼくは、きっと優しくしてくれたとなりの子なら、大切にしてくれるとおもったんだよ。エルフと「ぼく」の絆は強くて、バスケットをあげても「ぼく」の心のなかの思い出は消えないからあげたんだと思う】
子供だちは、友達の考えを聞くことで
どんどん考えが深まっていっていました。
今回、このお話を通して、たくさんたくさん考えて、
意見を交換しあって、自分たちなりの答えが出せたようでした。
バスケットをあげた男の子の強さ、言葉で愛を伝えることの大切さ、いろいろなことを教えてくれた教材でした。